【アイデアノート】第九話 第一回楽酒会

◆第一回 楽酒会

結婚相談所SNSの第一弾、若者の飲み会が開催された。「第一会 楽酒会」としてそれは始まった。思いのほか、参加してくれる若者がいて、総勢20人となった。男女の割合も半々くらいだ。晴れ男は、満足げにその飲み会を見守っていた。その居酒屋の店主もおもしろい人で、自己紹介とか乾杯のあいさつとか、仕切ってやってくれたので、場の雰囲気は盛り上がっていた。お酒も入って、それぞれのテーブルで各々話始めたころあいをはかって、晴れ男はQRコードの入ったカードと前もって作っておいたチラシを手に、各テーブルをまわった。

「ちょっといいですか?」

「実は、こういった会を定期的に開きたくて、SNSを作ったんですよ。」

「せっかく今回会えたのも何かの縁、無料ですので、どうぞ登録して下さい。」

若者たちは、ちょっと戸惑っていた。

晴れ男は、話を続けた。

「フリーメールでもなんでもいいんです。名前もニックネームでいいですよ。」

「ちなみに、私も登録してますが、こんな感じです。」

と、スマホでSNSの画面を見せた。

若者たちは「じゃあ俺登録してみる」と、一人が登録すると、そのあとはすんなり登録してくれるようになっていった。中には、俺はこういうの登録しないからと言う人もいたが、その人にはカードを渡して、いつでも登録して下さいと伝えた。とりあえず、その場で10人くらい登録してもらうことができた。また、まずは人数集めということで、無料にしておいた。常連さんもいたし、自分が呼んだ人もいるので、すんなりいった。そして、第一会 楽酒会は幕を閉じた。

晴れ男は、満足した気持ちで、店主に「本当にありがとうございました。またお願いします。」と深々と頭を下げ、店を後にした。

          *

それから数週間たったが、SNSの方は動きを見せなかった。
SNSのコンセプトがしっかりしていなかったのと、いきなり掲示板に投稿する人、メッセージを送る人がいなかったのだ。晴れ男は、自分からこの前の飲み会の写真やコメントを書き込み、返信を待っていた。

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