◆自分史
晴れ男は、休日なのにどこにも出かけずに家に籠っていた。アイデアノートにしきりになにか書いている。その表題には、先日書いた言葉「自分史」が書かれていた。
=自分史=
自分史の構想
取材をしてその人自身の過去を未来に残す
その人が振り返った過去を文章化して、未来に残す
それをオープンにしても良い
逆にクローズして親族にだけ残すのも良い
狙いは、生きてきた証を文章化して後生に残す事
晴れ男は冷静だった。評価をしようとも思わなかった。アイデアを考えることに夢中になっていた自分が、そうではなくて、これがやりたいという気持ちになっていた。そう、晴れ男は決心していた。実現するにはどうしたらよいか、それに集中していた。それは、友人Aが退院する前日の事だった。