【アイデアノート】第十三話 友人Aのオフィス

◆友人Aのオフィス

友人Aのオフィスに到着して、中に入る。晴れ男は、申し訳なさそうに、

「この度は本当に申し訳・・・」

と言うか言わないかの瞬間に、友人Aのこぶしが飛んでくる。顔面にヒットして、晴れ男は倒れこんだ。

「・・・・・」

「おまえ、どうゆうことだ!」

友人Aは、激しく晴れ男を問いただす。

「す、すまない・・・」

「すまないじゃないんだよ!おまえ自分のやったことがわかってるのか!」

「・・・・」

「おまえが自爆する分には構わない。でもな、人様に迷惑をかけるようなことをおまえはしたんだ!」

「・・・・」

「なにが起業だ!おまえはそんな器じゃないんだよ!」

「・・・・」

晴れ男の目には涙が浮かんできた。

「どうなんだよ!遊びじゃねぇんだよ!」

晴れ男はぐっとこらえていたものを吐き出すかのように、泣き始めた。涙がとまらない。

「もういい!帰れ!」

晴れ男は、疲れと申し訳なさと自分への悔しさで、流れる涙をそのままに立ち上がり、玄関に向かった。

友人Aの顔を見ることはできなかった。
        *
友人Aのオフィスから、晴れ男の自宅まではかなり距離があったが、晴れ男はふらふら歩きながら帰って行った。外はもう朝だった。

晴れ男の頭の中は真っ白で、どこをどう歩いているか分からないほどだった。とにかく溢れる涙と鼻水で、晴れ男の顔はぐちゃぐちゃだった。しかし、そんなことも気にする余地がなかった。

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