【やさぐれ】第十二話

休日、青年は街をぶらぶらしていた。
すると、見かけない店があった。小さな八百屋だ。

入口に小物なんかが置いてある、おしゃれな雰囲気の八百屋だったので、ちょっと入ってみた。
店中はきれいに整理されており、野菜がかわいらしい籠に入れられ、手書きの値札が貼ってある。

すると、奥から店長らしき人がやってきた。
自分より年下の若い男性だ。

「いらっしゃいませ。」

「とてもかわいらしいお店ですね。」

「ありがとうございます。」

店長と話してみると、どうやら、その店に置いてある野菜は、すべて有機農家からおろした新鮮な野菜らしい。
店長は、店をオープンする前に、数か月間有機野菜を作っている農家をまわり、直接お店と取引できるように契約を交わしたという。

今では、早朝にその農家をまわり、旬な野菜を安価で仕入れてお店に置いている。
レイアウトも毎日違うレイアウトにする工夫をしているらしい。

また、さらにすごいのは、原発等で風評被害を受けた農家さんたちを駅前広場に呼んで、フリーマーケットを定期的に開いていたり、近々来る、クリスマスには、商店街で大セールを行う予定で、その発起人でもあるという。

青年はその行動力に驚いた。
自分は、商店街はさびれているなんて横柄な事を考えていたが、実は違っていた。

自分はなにも行動していない。やれることはたくさんある。
商店街を街を心配するより、自分ができることをやるしかない。

そう、行動しなければ何も起きないのだ。
青年は八百屋を出て、改めて街並みを見回してみた。

都会ほどの華やかさはないが、この街は生きていると感じた。

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