【365日 後編】第二十話

「山ちゃん、いいだろう?」

山岡は、神崎親子写真の写ったハガキを見ていた。

「そうだな・・・今日はやっと仕事も落ち着き、休みだからな。」

山岡は電話を取り出して、車を呼ぶ。

「山岡会長、区役所でよろしいですか。」

隆志が答える。

「区役所でいいよー」

「承知いたしました。」

ーー区役所にてーー

「お客様、ここに記入と印鑑をお願いします。」

その紙にはこう書かれていた。

 養子縁組 父と子

      *

〜回想〜

「山ちゃん、手伝うって言っただろ。山ちゃんがトップになれば、日本中の子供たちが救われる。」

「わかった、その手続きは俺がする。でもな、いつでも変えられるようにしておくからな。これから、お金が必要になる時が来る。その時は言えよ。」

「山ちゃん、わかってないな。俺ら施設の児童はね、お金なんて欲しくないんだよ。それよりも欲しいものがある。」

「なんだ?お金よりも貴重なものか?怖いな?」

「なあ山ちゃんよぅ。俺が山ちゃんを手伝って、山ちゃんが飛龍会のトップになったら、俺を養子にしてくれ。」

「・・・・」

「それだけだ、な、約束な。」

「・・・・わかった。必ず約束する。」

      *

区役所の職員さんが言う。

「お客様、手続きが終わりました。おめでとうございます。」

            365日 完  平成28年6月1日 小林多紀夫

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