【365日】第三話

隆志はいつものように朝起きた。目覚ましをセットするのだが、必ず、目覚ましのセットした時間の5分前には目が覚める。その日は、新薬を飲んで初日だった。イタミコロリという仮名の薬だった。ぢの薬だ。神崎さんにまずはぢの薬があるので試して下さい、と勧められて始めた薬だった。ぢの薬だったら塗り薬だろうって思ったが、それは飲み薬だった。まあ、化のう止めの薬も局部に塗るものもあれば、飲み薬もあるので、それほど気にしなかった。でもどうだろう。体への変化はなかった。お尻の具合もあまり変わってない感じだった。その薬の使用期間は2週間。まあ様子をみようと仕事に行くのだった。

        *

隆志はトイレに籠っていた。お尻からはジャーって音がする。そう下痢だ。ここ数日間下痢だった。これも副作用かと思い、トイレを出ると神崎さんに連絡してみた。
「はい、神崎です。」
「あ、どうもお世話になります。隆志です。」
隆志は下痢でちょくちょくトイレに行くことを伝えた。このまま薬を飲んでもいいものなのか不安で仕方なかった。しかし意外な回答が返ってきた。神崎は言う。
「効能どおりですね。この薬は下痢の症状が出ます。そして同時にぢをやっつけるので。」
隆志はどういったことか聞いてみた。するとこうだ。従来の塗り薬だと治りかけたぢでも、また堅いうんちをすると、お尻の穴に負担がかかる。そこで、飲み薬として、下痢の症状をわざと起こし、お尻への負担を減らす。しかも、それと同時にぢのばい菌を殺す成分が働き、2週間程度で完治するという仕組みらしい。そういえば、お尻の痛みはここ数日感じていない。隆志は、最近の医療は古典的というか、荒治療というか、そんなもんなんだと思った。隆志はとりあえず安心し、またトイレに行った。ジャーという音とともに、水に近いうんちをするのであった。2週間後、下痢の症状もおさまり、もちろん、ぢも治っていた。
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