【365日】第二話

夢の課中研究所の担当者がやってきた。神崎さんという人だった。
「こんにちは。あなたが隆志さんですね。」
睡眠収入についてざっと説明してくれた。世に出回る前の薬を飲んで、副作用とか効果を後日伝えて欲しいとの事だった。いわゆるモルモットだ。しかも、それは寝る前に一回飲むという約束だった。複数種類あるので、それを順次試して欲しいとの事だった。まず、健康状態を知るために、問診票を書かされた。そこで、最近気になってる症状という欄に「みたいです。」と書いた。その他は健康状態だった。アレルギーも何もなかった。後は身長165センチ、体重60キロ、年齢25歳等々、身体情報を書く欄を埋めた。すると神崎さんが、その書類を奥に持っていき、今度は契約書を持ってきた。
「隆志さん、よく読んで結論をだしてもらっていいです。宜しかったら、最後のところに日付とサインをお願いします。」
隆志はその契約書を見ようとしたが、難しい表現なのと、とにかくその文章量が半端でなかったので、逆に神崎さんに聞いてみた。
「この契約書は、簡単にそういうことですか?」
神崎さんは言う。
「要するに、薬による体調の変化、極論死に至ってもそれは自己責任ですよということ。もう一つは、ここでの話はすべて機密にして下さいということですね。」
隆志は死という言葉にちょっと怖気づいた。それを察したのか神崎は、
「でも薬の成分は、基本今まで使ってきた薬の成分です。要はその成分の配合を変えただけです。個々の成分が人体に及ぼす影響はありません。しかも、夜間でも緊急対応できるように、119番ではなく、弊社の特別救急医師が待機しています。」
隆志は契約書をペラペラめくっていた。するとある数字が目に入った。1回につき10万円。そうそのバイトは高額なものだった。隆志さんはそれも確認した。一つの薬を試して、規定通りの期間を過ぎれば、その金額が確実にもらえるらしい。隆志は少し考えて、
「わかりました。やります。」
と日付とサインをした。
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