【ポイント】第四話

海辺公園は、その名の通り海辺に作られた公園である。木でできたベンチや机、日よけになる場所もあり、芝の広がる気持ちいい場所だ。

年配者や小さい子供を連れた数組のママたち。平日なのにカップルも2組くらいいた。

栄一は新城に問いかけた。「ここでマイナスポイント行為を注意するんですか?」

「あ?ただのひと休みだけど」

栄一は驚いた表情をすると、またもや新城がタバコを取り出し始めた。さすがに栄一は正そうとキリっと言う。

「新城さん、さっきからいけないですよ」

「ん?タバコか?」

「そうです。さっきの行為も市の職員としてどうかと思います」

新城は、出したタバコをしまいながら、まじめな顔で言う。

「やっぱ、ポイントか?」

「そうです。新城さんみたいな生活をしていたら、ポイントがマイナスになりますよ」

新城は、遠くを見つめ、少し間を置くと、

「お前はポイントがマイナスになると思うか?」

「え?」

「少し教えてやるよ。ポイントってのはな、マイナスになんかなりはしない。マイナスゾーンに行った時点で、凍結されるんだ」

栄一はいきなりの言葉にゾッとした。「と、凍結って・・・」

新城は落ち着いた声で言う。

「お前を連れて行かないといけない場所があるみたいだな」

栄一はこの社会の裏の部分を感じ、「もしかして、ポイント凍結と関係あるんですか・・・」

「そう、まあその前に飯でも食うか。おまえ高級料理店には入ったことあるか?」

高級とつく店なんて自分の身分(ポイント)で入れるわけなかった。料理店もそうだが、ブランドものその他すべてお店の前でポイントにロックがかかり、入店すら許されない。

栄一は新城を見ながら、なんだこの人は?と思わざるを得なかった。

すると新城が言う。

「そうだな、唯一、マイナスポイントになれるケースがあるな。まあ俺たちは融資ポイントと言ってるが」

新城と同行して初日、栄一は自分のポイントが侵されるような危惧を抱いた。しかし、ポイント凍結と融資ポイント、その言葉の意味を知りたい気持ちはあった。

そして、この新城という男の悲しげな目がいつまでも忘れられなかった。

 

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