【ポイント】第八話

「ここは・・・」

少年は目を覚ました。周りは白い壁に覆われ、無機質なうえにシンと静まっていた。

『あぁ・・・親父を金属バッドで殴り殺したんだよな・・・』

思い出すと胸が痛む。憎らしい相手だったが、心臓を握られるような感覚に陥った。悲しいのだが涙が出ない。

少しすると、白衣を着た男が部屋に入ってきた。男は言う。

「この中から、あなたの選択をして下さい。質問は何でも受け付けます」

差し出した紙には、

・説明

・労働

・提供

・安楽死

と書かれていた。少年はすぐさま『安楽死』を指さしていた。

「ほぅ、質問はなしですか。わかりました、すぐ手配しましょう。」

「・・・」

「ただ、あなたには10日間が与えられています。安楽死の手間に1日使用しますので、9日間は生きてください。場所は相部屋です。ついて来てください。

 

案内されたのは、ベッドが2つある狭い部屋だった。

「食べ物、飲み物が欲しかったら、与えられた1日を提供してください。1日の提供で3回分の食べ物と水が与えられます。あと、排便はビニール袋にして、決められたごみ箱に入れて下さい。では」

少年は、ベッドに横たわった。何もする気が起きなかった。夕方?夜?になると、ルームメイトらしき男が帰ってきた。男ははぁ~と言うと、しゃべりかけもせず、もう一つのベッドに横になっていた。

 

どのくらい時間がたっただろう。男が話しかけてきた。

「おい小僧、おまえここでどうするんだ?」

「・・・」

「俺は労働室で働いてやっと11日稼いだよ。次は説明室だ。あと少しで説明室へ行き、ここともおさらばだ」

「・・・」

「おい、聞いてんのか?それはこんなところに連れてこられたら、嫌気もさすだろうが、与えられた環境でやるしかねぇだろ」

「・・・おいちゃん」

「なんだ小僧」

「あと幾日足りないんだ?」

「はぁ?おまえ、すぐにここを出ようって腹か?一日の労働で稼げる日にちなんてしょぼいもんだぞ。それに飯や水も消費するしな」

少年は背を向けたまま寝ころがっていた。男は、なんだこいつと思ったが、問題を起こせば、今までの苦労が台無しになってしまう。ここは冷静にと、

「9日間だよ。これでやっと社会に出るチャンスが与えられる」

「・・・そうか」

少年はそのまま黙ったままだったが、男はかかわらないほうがいいと思い、話しかけるのをやめた。

少年に与えられたのは10日間(うち1日は安楽死に使用)、明日からカウントダウンが始まる・・・

 

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