【ブリザード】第五話 エピローグ

太郎のいる地下シェルター内には、食料やその他生活に必要なものがある程度整っていた。地上のことはわからない。でも生きてくには十分な装備はあった。

ただ電気は有限である。太郎は復旧は見込めないなと思っていた。たださすがは巨大シェルターである。この先電気の供給が止まっても暮らせるような、アウトドアセットみたいなものも揃っていた。

太郎は来る電気停止に向けて用意をしていた。そんな時である。再びシェルター内に緊急放送が流れる。『電気容量が50パーセントを切りました。冷凍人間の解凍回復処置を開始します』と。

太郎は『他にも人がいる』と思い、シェルター内を探し始めた。すると、あたり一面に広がるカプセルの部屋に到着する。各カプセルは微音がしていた。そして、区分けがされているのに気づく。

現在医療では処置できない病人、健康だが未来まで体を維持したい人、そして人間の絶滅を回避する為の種の違う選ばれた人々。

カプセルの開く順番はまちまちだったが、太郎は解凍され意識のない人に次々に声をかけ、生存を確認する。いずれ、意識も回復する者も出てきた。

それは地上での氷河状態が明ける数年前の事だった。いずれこれらの人たちは新しい世に出る第一人者たちだった。

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クローン人間・・・太郎は突然人間の形をして生まれたのではなかった。女性の卵子にあるDNAを注入され、人間と同じように育った。自分がクローン人間という事はいっさい話していないが、そんなクローン人間の太郎が、人類を救っていた。

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分厚い扉を屈強な男たちがバーベルでゆっくりと開けていく。外からは心地よい空気が入ってくる。そして太陽の光が差し込んでくる。するとある男が声をかける。

「太郎さん、地上です!」

令和元年 八月十七日 完

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