【一話完結】夢はミュージシャン

彼は大学生。趣味はギター。

休みになると必ず、スタジオを借りて、友達と練習に励む。

しかし、大学を卒業間近になると、まわりのみんなは、就職活動で音楽をする友達もいなくなった。

彼は、迷っていた。

このまま就職するのか、音楽の道を選ぶのか。

大学最後の冬休み。まだ就職の決まっていない彼は、実家に帰った。

両親は、笑顔で迎えてくれた。大変だろ、まあゆっくりしろと。

年末年始、父は仕事だった。

彼は母と話をしていた。

父の持病がよろしくないこと。でも、学費を稼ぐと年末年始も働いてること。

彼は気付かされた。ギターを売り、地元で就職することにした。

数年後、彼は結婚式を挙げる事になる。

催し物として、大学の友だちと音楽の演奏を行うことになった。

久々の演奏だった。

だが、彼の心に迷いはなかった。

ただ、彼の母は泣いていた。彼の父の遺影を持って。

彼は、歌った。オリジナルソングを。

その題名は「ありがとう」だった。

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