オオカミ男子の話題がしばらく続いたが、オオカミ男子は世間に顔を出さないでいた。
その程よい頃あいだろうか、あるCMが流れた。
クールな映像から、クールな男子がその引き締まった肉体を見せながら登場する。
「ムダ毛は脱毛される。頭は増毛される。そんな時代は終わった。」
「男の良さを引き出すために、カツラをかぶれ。そしてオオカミになれ Featuring カツラカンパニー」
それは、もはや今までのカツラのCMではなかった。
まるで、高級車のCMのようにクールで引き込まれるようなCMだった。
そして、映像に流れる、多種多様のカツラのラインナップ。
髪の薄さをごまかすのではなく、頭をアレンジしていた。
そう、カツラはファッションだった。
その頃から、カツラの常識が変わり始めつつあった。
カツラカンパニーの話題は広まった。特に若い世代に。