【ハゲストーリー】 第九話(最終話) 若者たち

カツラカンパニーに影響されたのは、若者たちだった。

ハゲではないのに、わざとスキンヘッドにして、好きなカツラを被った。
そう、帽子を選ぶように。そして服と合わせてコーディネートした。

そう、新しいファッションの時代の幕開けだった。

ある日は、ストレート。またある日はパーマ、そしてロン毛。
しかも、短髪のカツラもあった。

会社には真面目なカツラ。オフは茶髪のオシャレなカツラと使い分けた。

カツラカンパニーの品揃えは完璧だった。

そのうち、それが当たり前になり、年配者も利用するようになった。そう、ダンディなカツラだ。
スマホが広がるように、世に広まっていった。

もうカツラカンパニーをバカにする者はいない。
カツラが標準だった。ファッションだった。

カツラカンパニーの社長(ハゲ男)は、雑誌のインタビューにひっきりなしに呼ばれた。

社長は言う。
「私はただ、一つのファッションを提供しただけ。ハゲのためなんて、一時も思ったことはない。」

その社長のカツラは、ダンディトップという、オオカミをイメージさせるようなカツラだった。

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