【思うことブログ】黒くなるメガネ

みんな知っているだろうか。ふつうのメガネが日に当たるとサングラスのように黒くなるメガネを。僕が知ったのは中学1年生の時だった。

僕は中学生時代バレー部に所属していた。当時体育館は他の部と共同で使っていたため、週の半分は屋外のグラウンドの隅で練習していた。

当時、3年生の先輩が中心となって選手は構成され、特にアタッカーの爽快な先輩とセッターの真面目な先輩が中心となってチームを引っ張っていた。

もちろん、僕ら1年生はコートで練習している先輩たちを囲むように並び、球拾いや声がけをしていた。

それはある日の外練の出来事だった。

当時、体罰は当たり前で、かなり怖い監督がバレー部を指導していて、外練の炎天下の中その監督はコート内に入り先輩たちをしごいていた。

しかし、しかしだ。

その時同じコートに入っていたのが、先に説明した真面目なセッターの先輩。普段からメガネをしているのだが、その日は何かがおかしかった。

セッターとは、レシーブで上げたボールをアタッカーに正確にトスをするという役割だった。その先輩はなにかメガネをちょくちょく触っている。すると少しする間に、だんだんメガネの色が変わっていく。

透明から薄茶色に、薄茶色から茶色に……

もちろん、周りはみんな気がついていたが、厳しい練習の緊張感のある空気で誰も何も言わない。もちろん監督も何も言わない。その先輩は真面目で聡明なので、誰も突っ込むようなことは言わない。

そうこうして練習は終わったが、セッターの先輩の眼鏡は真っ黒になっていた。中学生丸坊主の頭でサングラスだ。

結局誰も突っ込まなかったが、あとから聞くと、その先輩は、自分のメガネと間違えて、親のメガネをしてきたらしい。まさか真っ黒になるとは思わなかったらしく、練習どころではなかったみたいだ。

僕が黒くなるメガネを知ったのはその時からだ。今でも忘れない映像が頭に焼き付いている。サングラスで必死にトスを上げる少年の姿を。

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